初めての妊娠は初期段階から出血とお腹の張りが見られ、切迫流産と言われていました。
自宅安静を強いられ精神的にも苦しい中、何とか切迫状態を脱し、安定期に入ることができたのです。
しかしその矢先、妊娠19週で流産してしまいました。
いきなりのことだったので状況を飲み込むことができず、放心状態でした。
今までお腹にいた赤ちゃんが急にいなくなり、また一人の体に戻ったのです。
仕事は休暇をもらい、両親からはしばらく実家へ戻るように言われました。
主人は仕事なので、昼間一人で家に居ても悪いことばかり考えてしまうだろうという配慮だったのですが、私はそれでも実家ではなく主人と一緒に居たかったのです。
主人は私のしたいようにした方がいいと言ってくれていましたが、両親に言い切られてしまい、私はしぶしぶ実家へ帰されました。
しかし実家へ帰っても、周囲からは気を遣われているように感じてしまい、私自身も両親に気を遣ってしまっていたのでとても居心地が悪かったのです。
あとから冷静に考えれば親心はよくわかるのですが、私は自分の居心地の良い環境で過ごしたかったのです。
それを涙ながらに訴えると主人は仕事を休んでくれ、数日間は一緒に居られると私を迎えに来てくれました。
しかし実家に長居をしたくなかった主人は、両親が仕事から帰る前に私を連れて帰ってしまったのです。
せめて両親が帰宅するまで待ち、主人と二人で居るところを見てもらい安心させてあげたかったのですが、赤ちゃんを失い辛い思いをしているのは主人も同じであり、主人にもこれ以上ストレスは与えたくはありませんでした。
その後、主人と帰宅したことを両親に電話で伝えましたが、「そう…」と悲しそうな母の声を聞くと、今度は二人を裏切ってしまったかのような罪悪感でいっぱいになったのです。
翌日、離れて暮らす祖母から私の体を気遣う電話をもらいました。「ゆっくり休みなさいね」と優しい言葉をかけてくれたのですが、最後に「お母さんに黙って家に帰ったんでしょ?お母さん泣いてたわよ。心配してるんだから、謝りなさいね」とお説教されてしまいました。
祖母から見れば悪気があったわけでもなく、私を思ってのことなのでしょう。
しかし、私の取った行動で母を泣かせてしまったという罪悪感と、ただでさえ子どもを失い落ち込んでいる私に追い打ちをかけるのかという悲しみで、私はパニック状態になってしまいました。
そんな状態の私をそばで見守る主人は、どれほど苦痛だったかと思います。
1週間ほどそんな状態が続き、少しずつ私は前向きな考えを持てるようになっていきました。
今思えば、流産は悲しいけど仕方がないこと。なぜあんなに悲観しパニックになっていたのか疑問すら感じますが、しばらくして主人が言いました。
「あの頃は産後うつ病になっていたのかもしれない。流産後も産後うつ病になるリスクはあるらしいよ。」と。
ひたすら悲しみに浸り、何もする気が起きない…急に大泣きし荒れて主人に八つ当たりしてしまう…。
このような状況であった当時に病院を受診していれば、産後うつ病という診断がつかなくてももう少し楽に乗り越えられたのかもしれないと考えさせられました。
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
著者:mencochan
年齢:30代
子どもの年齢:2歳と4歳
2歳差の自由気ままな男の子と女の子を育てています。怒りっぽい性格なので、”日頃から平常心・怒る前に深呼吸”を心がけて育児をしています。
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