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【医師監修】なぜ頭痛がするの? 薬は飲んでもいいの? 妊婦さんの頭痛対策

妊娠中も、おもに初期を中心に、悩む妊婦さんが多い「頭痛」。妊娠中になりやすいのはどんな頭痛なのか、なぜ頭痛が起きるのかというメカニズムから、頭痛になったときの対処法まで、妊娠中の頭痛についてとことん解説します!

監修医師

林 聡先生

東京マザーズクリニック 院長

産婦人科専門医。広島大学大学院医学系研究科修了後、県立広島病院産科婦人科勤務、フィラデルフィア子ども病院・ペンシルバニア大学胎児診断・胎児治療センター留学、国立成育医療センター周産期診療部胎児診療科医長を経て、2012年東京マザーズクリニックを開院。妊娠中からの母体・赤ちゃんの健康管理、プロフェッショナルチームが支える中での無痛分娩を基本とした安全な分娩の提供、助産師による妊娠中および産後ケアの充実という3つの理念をもとに日々の診療を行っている。

頭痛ってどんな種類があるの?

大きく2つのタイプに分かれる頭痛

日常的に繰り返して起こる頭痛には、代表的なものとして、筋肉が収縮することで起こる「緊張性頭痛」と、血管が拡張することで起こる「片頭痛」とがあります。妊娠中もこのどちらかの頭痛か、あるいは両方が混在した頭痛を起こしやすいといえます。それぞれの頭痛について詳しく見ていきましょう。

①筋肉の緊張が原因の「緊張性頭痛」

妊婦さんに多い緊張性頭痛。肩こりや筋肉のこりから来る頭痛です。長時間同じ姿勢が続いたり、目を使いすぎたりすることによる疲労が頭痛を誘発することもあります。血行不良が原因なので、温めることが基本です。入浴をして首や肩を温めること、ストレッチやマッサージで首や肩、肩こう骨まわりの筋肉をほぐすこと、緊張を解きリラックスをすることなどが効果的です。

②ホルモンが関係し、初期に多い「片頭痛」

こめかみのあたりにズキズキと脈打つような痛みのある片頭痛。もともと女性に多い頭痛で、妊娠初期にプロゲステロン(黄体ホルモン)の影響で血管が拡張することが原因だと考えられています。強い光や音も刺激になるほか、吐き気を伴うことも。この頭痛は、緊張性頭痛とは逆に、冷やして血管の拡張を抑制します。刺激を避け、暗く静かな部屋で休むことも効果があります。

頭痛薬は服用しても大丈夫?

必ず主治医に相談を。自己判断は厳禁

胎児への安全性が確立されていないため、妊娠中に服用できる頭痛薬はほとんどなく、基本的には「アセトアミノフェン」以外のお薬は処方されていません。市販の頭痛薬を自己判断で使うのは、絶対にやめましょう。もともと妊娠前からの片頭痛などで頭痛薬を服用している場合は、かかりつけ医に相談してみてください。

この症状は注意。受診の必要な頭痛

いつもの頭痛と違ったら、即座に受診を

これまで紹介した頭痛は日常的な筋肉の緊張やストレスなどから起こるものですが、それとは別に、妊娠中に高血圧になることで、妊娠の経過や母体と胎児の今後にも大きく影響を及ぼす病気の発端となる頭痛を引き起こすことがあり、注意が必要です。これまでに経験したことのないような激しい頭痛や、手足のしびれ、けいれん、嘔吐、高熱などが起こった場合にはただちに病院へ向かいましょう。

●妊娠高血圧症候群…何らかの原因によって妊娠中に血圧が高くなることで頭痛が起こります。特に早発型と呼ばれる妊娠34週未満で発症した場合は、重症化しやすく注意が必要です。妊婦健診で日頃から自分の血圧を把握し、高めである場合や、家族に高血圧の方がいる場合は気をつけましょう。

●子癇(しかん)発作…妊娠高血圧症候群が重症化したもので、激しい頭痛が続きます。血圧が180~200を超えて意識を失い、けいれん発作を起こす重篤な状態です。

●脳出血…脳内の細い動脈が高い血圧にさらされて弱くなり、最後に破れることで発症します。頭痛だけでなく、ろれつが回らない、手足がしびれる、目がチカチカするなどの症状を伴うことも。もともと脳動脈瘤があったり、脳の血管の異常があったりする場合にも起きることがあります。

この記事のまとめ

リラックスは頭痛緩和の近道

妊娠中に多くの妊婦さんが悩む頭痛は、肩こりや筋肉の緊張が原因となる「緊張性頭痛」と、脈打つほどの痛みを感じる「片頭痛」の2種類。自分の痛みがどちらにあてはまるのかを分析して適切な対処法を試みましょう。頭痛薬の服用については、必ずかかりつけ医に相談し、市販の薬を飲むのは厳禁です。ストレスや疲れも頭痛の一因。リラックスを心がけましょう。

構成・文/
福永真弓
イラスト/
小波田えま