【4277人にアンケート】出産後に夫婦仲が悪化する「産後クライシス」。ママパパたちは実際どうだった?
今回のテーマは「産後クライシス」です。出産後、互いの愛情が冷めて夫婦仲が悪化する状態のことで、妊娠・出産を経て生活や体調が大きく変化したママとパパの温度差や、夫婦のコミュニケーション不足などが原因だと言われています。実際にどのくらいのママパパが経験しているのかリサーチしました。
今回のテーマは…
産後クライシス
※記事内のデータ・コメントは「ゼクシィBaby会員」4277人が回答したアンケートによるものです(2023年4月実施・0カ月~2歳までのお子さんをお持ちのママ4277人が回答)。
産後クライシスを経験した?
ママパパの3組に1組以上が産後クライシスを経験
35%のママパパが、産後クライシスを経験していました。「自分は生活が大きく変わったのに夫は何も変わらずイライラした」「寝不足で、家事をしない夫の存在がストレスに」「子どものお世話で精いっぱいで夫婦の会話がなくなった」など、深刻な体験談が数多く集まりました。詳しい体験談を見ていきましょう。
家事も育児もほとんど私がしていて、夫は休みの日でもゴロゴロして動画見てばかりで腹が立ってしょうがなかったです。(Sさん)
子供に関する事で私から夫への小言が増えて、その後数日ギクシャクするというのを何度も繰り返しています。(MAさん)
夫に任せるのが嫌で、自分でやったり夫のやることにダメ出ししてしまったり、「じゃあ自分1人で育てれば」と言われて大げんか。(モモさん)
夫は育児にもとても協力的で産後の私にも気づかってくれますが、育児や家事のやり方が違っているし寝不足でイライラしていることもあって、やること全部にいらつきます……。(ゆきだるまさん)
自分だけが夜泣き対応をしたり仕事を辞めざるを得なかったので、仕事ができることがうらやましく思えたり、眠れないのが苦しくても夫に言えなかった。ほぼ全ての育児が自分にのしかかかってきたことで、塞ぎ込んで会話が持てなくなりました。(よっこさん)
赤ちゃんのいる生活より、自分の生活リズムを崩さない姿にイライラしていました……。お世話の指示待ちにも、「責任感がない!私ばかりやってる!!」とピリピリしていました。(みかんさん)
ワンオペ育児でうつ状態になり、夫がいるとずっと泣きわめいていました。夫もうんざりしてしまい、「実家に帰ってほしい」と言われました。(スターさん)
産後クライシスはどう解決した?
夫婦の話し合いと育児分担がポイント
最も多かったのは「とことん話し合う」という意見。育児や家事について、たとえぶつかってもしっかり話し合うことで関係が改善されていました。意外と多かったのは「時間が解決した」です。子どもが成長することで少しずつ元に戻るケースも。
● 話し合い
イライラしているときは感情的になるので要望は全てLINEで送るようにして、少しずつ夫に育児の大変さが伝わったようです。(ミワさん)
離婚も考えたが、まずは話し合いの場を持ちました。お互いの気持ちを知ることができて、少し気を遣ってくれるようになりました。(CIさん)
言いたいことを言い合うようにしました。お互いに何が不満かを明確にし、話し合って価値観をすり合わせて、最初にたくさんけんかしたおかげで、早めにお互いのペースで育児ができるようになったと思います。(れもんさん)
産後うつのような状態になり、今までだったら話し合いで解決できそうなこともうまく話せなくなってギスギス。交換日記を始めて、夜間授乳で起きた時に私が、朝出勤前に夫が書く、というやりとりで、感謝の言葉や、やってほしいことを書いて伝えることで、少しずつ関係が改善されていきました。(YYさん)
● 時間が解決
産後から半年経って、私の体の不調が落ち着いてきました。育児に対する考えの相違はあるけれど、基本的に夫婦ともわが子がとても大切でかわいいと思っているので、その点では家族として仲良くやれています。(ミチさん)
子どもが幼稚園に行くようになって、夫の実家の近くへ引っ越しして協力を仰げるようになり、自分にも時間と心の余裕ができて自然と改善されました。(たまさん)
何もしてくれず会話しない状態が続いていましたが、子供が保育園に行き始めて、保育園関連の業務連絡が多くなり、徐々に会話するようになりました。(REIさん)
● 第三者に相談
ほぼワンオペで追い詰められて、義母に相談したら、家事や育児をやるようにキツく言ってくれて助かりました。(nekoさん)
産後ケア事業を利用して子どもを預かってもらい、休む時間を取ることで少し冷静になれました。(アユミさん)
市の保育センターに相談したり、子育て支援のフリースペースで他のママたちと愚痴を言い合ったりして、気持ちを整理しました。(ケイトさん)
● 育児を分担
パートナーが産後の状態について勉強し、歩み寄りつつ、在宅勤務などを増やしてサポートしてくれるように。(Hさん)
夫は自ら気がついて家事・育児をするということが全くできないとわかったので、細かくやるべきことを伝えるようにしました。(ONさん)
休みの日などに丸一日子どものお世話を任せるようにして、家事と育児を両立することの大変さを味わってもらいました。(kkさん)
● まだモヤモヤ
正直言ってまだ解決はしていないが、家事や育児でやってほしいことは具体的に伝えるようにしています。(Aさん)
子どもが夜まとめて寝るようになって次第に気分が落ち着いたが、問題が解決したわけではないです。(Oさん)
子どもを寝かせてから、なんとか時間を作って、お互いの気持ちをぶつけ合っています。それでも解決できたとは言い難いですが…子育て以外の、趣味やスポーツの話など、雑談を増やすようにしています。(ミーさん)
この記事のまとめ
夫婦関係を改善するためには思いやりと会話が大切
産後はホルモンバランスの影響で気持ちが不安定になる上に、赤ちゃんのお世話でも時間がなくなり、夫婦間のコミュニケーションが不足しがちです。
「どうしたらイライラせずに過ごせるのか」「前のように夫婦で仲良くしたい」と悩むママパパは多いと思いますが、赤ちゃんの誕生で生活や体調が変わることで、多くの夫婦が産後クライシスを経験しています。今すぐ解決するのは難しいかもしれませんが、子どもの成長に伴って時間が解決する体験談も多く見られました。
まずは「ありがとう」「うれしい」といった簡単な感想でも言葉に出し、積極的にコミュニケーションを取りましょう。言葉にすることで潤滑油となり思いやりが伝わります。夫婦で協力してママがリフレッシュできる時間を作れると、張りつめていた気持ちが少しでも楽になります。大変な時期ですが、夫婦の会話の時間を毎日少しでも取るようにして、お互いの気持ちを伝えていきましょう。
- 構成・文/
- 竹本紗梨
- イラスト/
- 深川優
ずっと子どもと二人きり。たまに子どもを連れて友だちと会って遊んでいたが、1人で遊びに行くことはなく、夫は出産前と変わらぬ生活。休みの日は友達と遊びに行き夜中まで帰って来ず、けんかになりました。(メイさん)