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【NPOファザーリング・ジャパン監修】男性の育休「短期でできること」「長期でやりたいこと」

男性が育休を取るのは難しい・・・本当にそうでしょうか? 育児のために仕事を早めに切り上げたり半日休みを取るだけでも、それは間違いなく「パパの育休」。1年しっかり休んで子どもに向き合えるのは理想だけど、そうはいかない男性もまずは短期の育休から始めましょう!

安藤哲也さん

NPO法人ファザーリング・ジャパン代表理事・ファウンダー

出版・書店・IT業界などを経て、2006年に父親の子育て支援・自立支援事業を展開する「NPO法人ファザーリング・ジャパン」を設立。厚生労働省「イクメンプロジェクト」顧問、東京都・子育て応援とうきょう会議実行委員、内閣府・子どもの貧困対策「子供の未来応援国民運動」メンバーなどを歴任。男性の育児を推進するためのセミナーや講演活動のほか、育児についての著書も多数出版している。プライベートでは、二男一女の父親。

男性の育休は、短期取得もOK

「育休」は、半年~1年程度の長期間仕事を休むイメージがありますが、短期で取得しても構いません。実際に男性の育休で最も多い期間は、「5日未満」、次いで「5日~2週間未満」(グラフ参照)。長期で休む環境が整わないなら、短期や1日でもいいので、育休取得を検討しましょう。

法律の改正により、今までは半日単位でしか取れなかった育休が、令和3年1月1日からは、時間単位で取得することができるようになります。短期の育休でできること、長期の育休が取れるならやりたいことを参考に、育休の取り方を考えてみましょう。

<男性の育児休業取得期間(平成30年度)>
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短期の育休はこんなことができる!

ママがパパにいてほしい日こそ、まずは休むべし

出産は女性にとって命を懸けた大仕事。その身体的負担は、全治数カ月の大ケガを負ったのと同レベルと言われています。産後6~8週までは産褥期(さんじょくき)と言い、母親と赤ちゃん双方のために母体をしっかりと休ませることが大事。この期間にママと赤ちゃんが移動したり外出するときには、サポートが必要に。

産後の母親は体調が悪かったり、ホルモンバランスが急激に変化するために些細なことで落ち込むなど精神的にも不安定。以下の「パパにいてほしい日」を参考に休みを取って、ママの疲労や不安を和らげることに努めましょう。

【出産(予定)日】
いつ生まれるかは赤ちゃん次第。予定日の前後約2週間は休みを取れるようスタンバイを。入院するときは荷物が多いのでパパが付き添って。陣痛が始まったらマッサージや水分補給に気を配ろう。積極的に声掛けをしてママのサポート役に。

【退院の日】
通常分娩なら出産後約5日、帝王切開なら約7日を目安に退院日が決まります。退院の日は、赤ちゃんがはじめて病院外に出る日。入院中に増えた荷物をまとめて、ママと赤ちゃんを自宅までナビゲート。車で迎えに行くなら、事前にチャイルドシートを取り付けて。入院費の精算もパパの仕事。

【出生届を出す日】
出生届の提出は、生まれた日を含め14日以内。届出人は父か母と定められています。閉庁時は夜間休日窓口で預かり扱いが可能。出生証明書が記載された出生届を病院で受け取り、子の名前などを記入して役所に提出しましょう。印鑑と母子手帳、健康保険証も持参を。

【里帰りから戻る日】
妻の実家などから我が家へ帰る日は、ママも赤ちゃんも緊張気味。赤ちゃんを連れてはじめての交通移動はヒヤヒヤです。前日までに自宅の掃除や片付けをして、ベビーベッドやおむつなど赤ちゃんを迎える準備を。当日は実家までママと赤ちゃんを迎えに行きましょう。

【1カ月検診の日】
1カ月検診は、赤ちゃんの発育状況とママの体の回復具合を病院で確認する日。赤ちゃんにとって退院後、初の外出に。赤ちゃん連れの外出は荷物がたくさん。ふたりで抱っこと荷物持ちを分担しましょう。ママが診察を受けているときには、パパが赤ちゃんを見てあげて。

コラム

産後のママのケアは、その後の人生を変える

産後は夫婦のパートナーシップの強化月間。出産後はホルモンバランスが崩れる上に、深夜の授乳でママは心身とも疲労困憊。産後にパパがママの支えになれたかが、今後の夫婦関係に影響します。

この日もママのケアを!【ママの体調が悪い日】
ママは不調を感じても、赤ちゃんの世話を優先しがち。パパがお世話をしてママを病院へ行かせて。

【はじめての予防接種】
予防接種は生後2カ月前後から。接種後約30分は院内で経過観察を行うので、時間がかかる。

長期の育休はこんなことをしよう!

ママのケアと赤ちゃんのお世話で、頼れる存在に

短期の育休もママにとっては助かるものの、やはり一定期間継続して家事と育児を引き受けることでわかる、育児の大変さがあります。その苦労は、やがて家族の絆となって、自分に返ってくるもの。仕事とは別のスキルを磨き、家庭でも頼れる父親に。

【ママのケアをする】

ママにとってはパパが最も頼れる存在。妻への愛の見せどころと思って、ママのケアに全力を傾けて。具体的にママがやってほしいことは、以下の3つ。

●ママの話をとことん聞いてあげる
産後は感情の揺れが激しい時期。ママの不安や1日の出来事をとことん聞いて、十分がんばっているとほめてあげよう。

●コミュニケーションを密にする
「おっぱい飲んだ?」などと赤ちゃんのことばかり気にかけるのはNG。ママ自身に関心を持ち、しっかりコミュニケーションを。

●ママのリラックスタイムを設ける
育児中はひとりでお風呂に入ったり、ゆっくり食事をするのもままならない。ママがくつろげる時間をつくってあげて。

【赤ちゃんのお世話をする】

幼い頃の肌の触れ合いは、子どもとの強い信頼関係を築くための大事な機会。「この子の世話をするのは、自分」と責任感を持って、次のことをがんばりましょう。

●とにかく積極的に抱っこする
パパが抱くと泣くのは、赤ちゃんがパパに慣れていないから。いつも抱っこしていれば、パパの腕の中が落ち着く場所に。

●おむつ替えのプロになる
おむつを替えてくれる人は赤ちゃんにとって頼れる存在。ただ替えるのではなく、うんちの状態を確認して健康管理を。

●夜中のお世話をする
授乳しておむつを替えても泣く夜は、パパの出番。次の授乳までママには寝てもらい、赤ちゃんの機嫌に付き合って。

コラム

セーフティーネットや生活サイクルを構築しよう

育休中にトラブル時のセーフティーネットを複数見つけておくと安心です。小児科のかかりつけ医や耳鼻科や皮膚科、歯科もチェック。0歳児教室などに参加して、ママ友パパ友と情報交換を。また、育体中は復帰後を見据えて、生活サイクルを整えることも大事です。保育園の雰囲気や送迎ルートを確かめたり、地域の施設や公園を見ておくのも◎。

この記事のまとめ

パパの育休は、父親としての第一歩

はじめての育児は、パパにとってもママにとっても初体験のことばかり。ひとりでは判断が付かなかったり、不安に陥ることも。パパがママと同様に主体的に赤ちゃんの世話ができることで、育児の負担は半分に。赤ちゃんと向き合って、父親としての第一歩を踏み出して。

構成・文/
稲垣幸子
イラスト/
itabamoe