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【助産師監修】妊娠すると、胸はどう変化する? お手入れ方法は?

妊娠するとおなかが大きくなるとともに、胸にも変化があります。母乳を作るために大きくなるのはもちろん、肌が敏感になったり、授乳前から乳首の色が変化したりして驚くことも。その理由やケア方法について、助産師の浅井貴子さんに伺いました。

助産師

浅井貴子さん

大学病院、未熟児センター勤務ののち、年間300件以上の赤ちゃん訪問を行いながら育児相談なども行う。ベビーマッサージや妊婦さん向けのセミナー、母乳育児指導の講師など多数務める。

妊娠中の胸は、出産までに2カップ大きくなる

乳腺が発達し、妊娠後期には2カップ大

妊娠すると母乳を作る乳腺が発達し、脂肪もつくため、妊娠前より大きくなります。妊娠中期で1カップほど、妊娠後期には2カップくらい大きくなる人がほとんど。個人差があり、産後に大きくなる人もいます。産後2〜3日目からは母乳が一気に作られ始めて、大きさも張りも一段とアップします。ただし、母乳の量は大きさより、乳腺の数や乳腺細胞の質によるため、胸が大きくならなくても、母乳がよく出る人もいます。

皮膚が薄くなり敏感になってかゆくなる人も

胸が大きくなると、胸囲は6〜8cm大きくなります。すると、体表面積が増え、皮膚が薄くなり刺激に敏感になります。そのため、下着の化繊のレースなどが擦れてかゆくなることがあります。また、体温があがり汗をかきやすくなるため、汗に含まれるアンモニアが刺激になることもあります。

コラム

サイズが合う下着にかえよう

大きくなったバストに合わせて、下着もサイズアップしましょう。小さいブラジャーのままで締め付けられると、乳首が擦れて痛くなり、かゆみの原因にもなります。妊娠の影響で敏感になった皮膚には、化繊は刺激になることがあるので、吸湿性のよいコットン素材がおすすめ。汗をかいたら着替えましょう。

乳首が黒くなり、敏感になる

ホルモンの影響でメラニン色素が増える

妊娠すると胎盤から、エストロゲンというホルモンが分泌されます。その影響でメラニン色素が濃くなり、乳首が黒くなります。胸は乳房が大きくなるとともに乳首や乳輪も大きくなりますが、色素も強くなり目立つようになるのは、視力が弱い赤ちゃんが見つけやすくなるメリットも。メラニンの影響は他にもあり、おなかの正中線が濃くなることや、わきの下や外陰部が黒くなることもあります。いずれもホルモンの影響なので、産後は目立たなくなります。

月経前のように張り、乳首がピリピリ痛い

妊娠初期にはホルモンの影響で、月経前のように乳房が張り、乳首が立つような感じになります。乳首の先端がピリピリ痛み、ブラがあたったりシャワーのお湯がかかったりするだけで痛いと感じる人もいます。妊娠10週くらいに胎盤ができると、ホルモンが落ち着いて症状も治ります。

血管が浮き出たり、妊娠線ができることも

乳腺に血液が供給され浮き出て見える人も

妊娠後期になると、乳腺に血液が供給されるため、デコルテから乳房にかけて血管が浮き出て見える人がいます。色白の人や皮膚や脂肪が薄い人が見えやすく、まるでメロンや迷路のように見えることも。産後3〜4カ月を過ぎ、授乳リズムが軌道に乗る頃に落ち着きます。

妊娠線ができたり副乳が出る人も

おっぱいの変化はほかにもあります。妊娠線はおなかだけでなく、大きくなるおっぱいにもできることがあります。特におっぱいの付け根やわきの部分にできやすいのでご注意。また、妊娠を機に通常の乳首のほかに、「副乳」が出てくることも。哺乳動物が乳房を持つわきの下から乳頭を通り足の付け根までの「ミルクライン」の上にポツンと乳首のようなものが現れることを「副乳」といいます。妊娠線や副乳が現れても問題はありませんが、皮膚が敏感になり、湿疹ができるなどして、かゆみが治らない場合は、我慢しないでかかりつけ医に相談しましょう。

この記事のまとめ

しっかり保湿して皮膚に柔軟性を与えよう

かゆみや妊娠線の予防には、おなかのケアと同様に、しっかり保湿することが大事。皮膚が伸びやすくなるように柔軟性を与えましょう。専用のオイルやクリームなどで肌をしっかりケアしてください。保湿ケアでかゆみが治らないなどの場合は、かかりつけ医に相談を。産後の授乳が始まる前にトラブルケアをしておきたいですね。

構成・文/
江頭恵子
イラスト/
松木祐子