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【4277人にアンケート】「産後パパ育休」みんなは取った?国の目標30%は達成できると思う?ママパパたちの実際を徹底調査!

今回のテーマは「産後パパ育休制度」です。2022年10月から産後パパ育休(出生時育児休業)が施行されました。制度がスタートして、実際にパパたちは育児休業を取れているのか、国の目標の取得率は達成できると思うか、ゼクシィBaby会員に大調査しました。ママパパたちのリアルな声もご紹介します。

今回のテーマは…

産後パパ育休制度

※記事内のデータ・コメントは「ゼクシィBaby会員」4277人が回答したアンケートによるものです(2023年4月実施・0カ月~2歳までのお子さんをお持ちのママ4277人が回答)。
※2023年4月実施のアンケートのため、その時点での「国の目標取得率30%」で調査していますが、現在の目標取得率は50%です。

パパは育休を取った?

ゼクシィBaby会員は3割のパパが育休を取得
世の中と比較して高い数字に

はい	30.2%|いいえ	64.9%|その他	4.9%

「育児休業を取得した」と回答した人が30%で、厚生労働省が発表した2021年度の取得率13.97%※より高い水準に。育児への意識・関心が高い会員が多いという要因も考えられますが、実際に3割のパパが育児休業を取れていました。

※厚生労働省「令和3年度賃金構造基本統計調査」

国が目標とする「男性の育休取得率」は達成できると思う?

達成に悲観的な声が多いのは、取得が難しい職場も多いから

できると思う	14%|できないと思う	56%|どちらとも言えない 30%

3割のパパが育休を取れているのに、目標達成は難しいと考える人が多数。「人員が少ない会社・部署だと無理だと思う」「大企業でないと難しい」「周りの負担を減らす策が必要」「将来の出世に影響する」など、達成できないと予想する声が多く集まりました。

※2023年4月実施のアンケート。設問「国の目標とする2025年までの男性の育休取得率目標30%を達成できると思いますか?」より

● できると思う

笑顔 青

ほんの数日取っただけでも「育休取得」とカウントされるので、企業も数日間は育休を取得させる流れになりそう。(Tさん)

笑顔 黄色

ニュースや政策で取り上げられる機会が増えて、育休の必要性が伝わりつつあるから。(アユミさん)

笑顔 赤

公務員や民間企業に関わらず、育休が促進されている話は周りでよく聞くようになったし、小児科などに連れていった時も赤ちゃん連れのパパを見掛けることが増えた。(りんさん)

微笑み 緑

最近は育休がメジャーになってきていて、取得できないと会社がブラックと思われるため、会社も育休に協力的なイメージがある。(ユーさん)

慎重 赤

達成はできるだろうが、数日でも育休取得率に反映されてしまうのと、「取るだけ育休」なら意味はないと思う。(EMさん)

● できないと思う

泣き 黄

制度はあるけど人手不足で実質取れない、取りにくい業界の方が多いのではないかと思う。(saさん)

慎重 赤

まだそこまで浸透していない気がする。出世に響くかもと気にする人も多そう。(ミウさん)

慎重 緑

会社でも育休がとりやすくなったと言って推進しているが、男の上司の子供が産まれる際に、上司本人は「取らないに決まっている」と話していた。上司たちの世代がどんどん取得しない限り広まらないと思います。(彩さん)

泣き 黄

シフト制の仕事だと1人が取ると他の人に皺寄せが行くので取れないこともあると思う。まさにうちの夫がそうです。(ゆきさん)

慎重 赤

育休というからにはある程度長期間まとまった日数でなければ意味がないと思うし、そうなると引き継ぎなどの負担も大きくなるので、周りの理解やサポートが構築されていない間は簡単には難しいと思う。(JUNさん)

● どちらとも言えない

慎重 緑

休む分の負担をどうするか、会社がしっかり対応できないと、取得したくても取れないままになってしまいそう。(Nさん)

慎重 赤

会社の雰囲気だけでなく、取得が義務にならないとなかなか取らないのではないかと思います。(MMさん)

微笑み 青

長期で育休を取って役に立ってるパパを周りであまり見ていない。ただのお休み感覚で育休を取られて逆にイライラしてるママの話をよく聞く。それなら、必要なときに休みやすい制度の方が助かる。(キウイさん)

泣き 黄

「子どもは女性が育てて当たり前」とか、「俺より稼ぐ金額少ないんだからお前が育休取れ」とか言ったり思ったりする男性は今の時代でもいるので、お互いが力合わせて一緒に育てて行こう!と考える男性が増えないとなかなか難しいと思う。(ルルさん)

育休を取るか迷っているプレパパさんへ

「育休取る?」「取らない?」と迷ったときに考え方を整理する4つのヒント

職場の環境によって、育休の取りやすさはさまざまです。ただ、家族のために育休を取りたい!だけど今の職場では難しい?と迷ったときの考え方のヒントを、父親支援事業のNPO法人ファザーリング・ジャパン代表理事の安藤哲也さんに伺いました。

<ヒント01>
取るべき最大の理由は“産後うつ” パパの力が母子の健康を支える!

産後うつという言葉を聞いたことはありますか?産後1年以内に死亡した女性の死因で最も多いのが自殺で、その原因が「産後うつ」だと推測されています。特に産後2週間はうつ病を発症しやすく、ママ自身はもちろん、子どもの心身の発達にも影響があると考えられています。
産後うつは誰でもなる可能性がある病気です。パパが育休を取ってふたりで育児をすることで、ママが一人きりで慣れない育児に追い詰められる状況を防ぐことができます。

<ヒント02>
夫婦の絆が強固に・家計収入アップ 長い目で見るといいこと尽くめ

パパが率先して育児に関わることで、子どもとの愛着形成ができ、子育てがスムーズになります。家事も「自分ゴト」になり、その後の両立にも良い影響が出るでしょう。夫婦の絆も深まり、共働きでバランスよくキャリアを積むことで将来的には家計収入が伸びる可能性が高まります。パパも職場だけでなく、地域に知り合いが増えて世界が広がり、人生がより豊かになっていくでしょう。

<ヒント03>
まず「取得できるか」ではなく「どういう父親になりたいか」考えて

昔は、「子どものために大黒柱として稼ぐ」父親像がメジャーだったかもしれません。現在は育休取得の過渡期で、男性にとっては判断が難しい時代です。しかし、全員が育休を取れる時代が来るのを待つのではなく、自分で決断するしかありません。育休は「取れる・取れない」ではなく、「どういう父親になりたいか」をイメージすることが大切です。ママのキャリアも含めて、家族の幸せ、自分の将来のためにできることを考えていきましょう。

<ヒント04>
取得を検討するうえで大事なのは夫婦のキャリア観の擦り合わせ

キャリアアップしたいのか、子育てを優先して働きたいのか、夫婦でキャリアに対する考え方を擦り合わせることが大切です。パートナーの考え方によって取得期間は違ってくるので、妊娠したらまずはお互いの価値観を話し合いましょう。

コラム

育児休業のキホン

子どもができるまで、育児休業について全く知らなかった人も多いはず。制度の中身を知っておきましょう。

●育休ってどんな制度?

育児休業は、1歳になるまでの子を養育する労働者が法律に基づいて休みを取得できる制度。会社によっては独自の育児休暇(有休)を設けている場合もあるので確認しておきましょう。

●産後パパ育休ってどんな制度?

子どもの出生日から8週間までの期間に最長4週間、必要に応じてタイミングを2回に分けて取得できる取得できる制度。育休とは別に取得することができます。

●取得できる期間は?

育児休業を取得できる期間は、原則として産後1年まで。ただし、保育園に入園できず待機児童になった場合は、最長2年まで延長できます。産後パパ育休を使用する場合は、最長1年2カ月まで取得することも可能です。

●育休中の収入は?

休業中は、会社からの給与ではなく、雇用保険から「育児休業給付金」が支払われます。納付額は、180日までは「賃金月額×67%」、それ以降は「賃金月額×50%」になります。さらに社会保険料、所得税が免除されます。

この記事のまとめ

本人の意識だけでなく、企業の推進努力と周囲の理解がもっと必要

制度が開始して関心が貯まる中、会社の取り組みや取得しやすい環境作り、周囲の人の理解が必要となってきます。また、周囲の人の負担を減らす取り組みも必要。安心して育児できるように、ママパパだけでなく社会全体で理解を深めることが大事です。アンケート実施時は、まだ国の目標は30%でしたが、6月にさらに目標が引き上げられて50%になりました。30%でもまだまだ遠い数字だと感じていましたが、50%はさらに高い目標です!達成するためには、さらなる理解と協力が必要です。

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構成・文/
竹本紗梨(3の構成/武智礼奈、文/宇都宮薫)
イラスト/
深川優
監修/
安藤哲也(2006年に自らの子育て経験をもとに父親支援事業のNPO法人ファザーリング・ジャパンを設立。ファウンダー/代表理事を務める)