妊娠・出産・育児の情報サイト

【助産師監修】【母親学級・両親学級特集】パパと産後の赤ちゃんの関わり方は?

~全4回の連載特集でお届けします~

【プレパパ レッスン3】
第3回目は、産後の赤ちゃんとパパのかかわり方、お世話についてです。機嫌のいいときだけ抱っこ、おむつ替えはおしっこのときのみ、ぐずりだしたら妻にバトンタッチ…。これではチーム育児とも言えませんね。助産師がよくパパにかける言葉は、「おっぱい以外はパパもできる!」。一緒にお世話をし、子育てすることで妻の心も安定し、赤ちゃんへの愛情もより大きくなっていきます。

監修医師

浅井貴子先生

フリー助産師

赤ちゃん訪問指導歴約30年のキャリアを持つフリー助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、育児のアドバイスや母乳育児指導を実施。赤ちゃんのボディケアを始め、ベビーマッサージやマタニティエクササイズのインストラクターを始め、助産師としての知識を活かした産後の会陰ケア、おっぱいケア、ママのためのスキンケア、産後のメンタルケアなど、妊婦さんや産後ママ向けのセミナー講師を多数務める。

パパが予習しておきたいお世話のこと

パパがお世話をする必要性とは?

出産を終えた産婦さんは体力的にも精神的にも家族の協力が必要です。退院後は体力回復のために安静にしなくてはいけないうえに頻回授乳に抱っこにあやし、おむつ替え。しかも赤ちゃんの1カ月検診までは外出できず、かなりのストレスがたまると言われます。では妻が「パパと一緒に頑張りたい」と感じるのはどんなときでどんな状況だからでしょうか?この後は、お世話のシーン別に説明していきます。

お世話シーン別に解説「ここがパパの出番です!

■沐浴~スキンケア

新生児期の沐浴は赤ちゃんの首を支えて、ドボンやゴチンをしないように気を付けながらやるので、腕や腰にとても負担がかかります。また、沐浴後はすぐに赤ちゃんのスキンケアをしてお着替えをしなくてはいけません。

<そこで、パパの出番!>
体を洗う沐浴係と沐浴が終わった後に赤ちゃんを受け取ってスキンケアやお着替えをするふたり体勢だとスムーズです。パパが沐浴させたら、湯上りの赤ちゃんを妻が受け取ってすぐにスキンケアをする…。といったように連携プレーを組みましょう。

■授乳のお手伝い

生まれてすぐの赤ちゃんは約3時間おきに授乳をします。特に夜中の授乳は熟睡する間もなくすぐに起きなくてはいけないので、産じょく期の体にとってはつらいもの。慢性的に睡眠不足になりがちです。

<そこで、パパの出番!>
パパも交代で授乳をかって出ましょう。パパもミルクを作って与えることが可能ですし、母乳なら搾乳したおっぱいを冷凍保存しておき、哺乳びんで赤ちゃんに与えます。授乳後のげっぷもパパの担当とすればさらに◎。

■おむつ替え

新生児のおむつ替えは個人差があるものの、1日15回~20回。汚れたらすぐに取り替えるので、約2時間おきにおむつ替えが必要、という計算になります。周囲には「おむつ替えはパパの担当」と言う人も多いのですが、よく聞いてみるとおしっこのときだけで、うんちは妻にまかせている声も聞かれます。

<そこで、パパの出番!>
新生児の肌は敏感でほおっておくとかぶれて赤くなったりします。大切な赤ちゃんのためにも、うんち、おしっこに関わらず気づいた人が担当するようにしてはどうでしょう。特に授乳の後はおっぱいを飲んだ刺激でうんちが出やすくなりますので、タイミングを見計らいやすいです。授乳後のおむつ替えはパパの役目、としてもいいでしょう。

■抱っこ、あやし

授乳で抱っこ、ぐずって抱っこと妻は一日中赤ちゃんを抱えています。まるで常に3~4㎏の荷物を持って家事や生活をしているのと同じ。腕、腰の負担がかなり大きく、腱鞘炎になってしまう人もいるほどです。

<そこで、パパの出番!>
抱っこも率先してパパがやり、妻の負担を少しでも減らしてあげましょう。大きなパパの腕と胸の中が安心する赤ちゃんも多くいます。ぐずったら妻を呼ぶのではなく、少しゆらゆらしてあげたり、おしゃぶりで気を紛らわせてあげたりするのもいいですよ。

この記事のまとめ

パパも赤ちゃんとのスキンシップを楽しんで

恋人や夫婦など大切にしたいと思う人とスキンシップをとることで分泌される「オキシトシン」というホルモン。これは別名「愛情ホルモン」「信頼ホルモン」などとも呼ばれ、人と人の絆を強く深くしていくもので、赤ちゃんのお世話を通したスキンシップで男性にも分泌されます。ぜひパパも赤ちゃんとの幸せな時間を楽しんでくださいね。

次回のレッスン4「パパも知っておきたいマタニティブルーズ、産後うつのこと」に続きます。

構成・文/
中島典子
イラスト/
タオカミカ
 両親学級って何?母親学級やプレママ学級とは何が違う? 両親学級って何?母親学級やプレママ学級とは何が違う?妊娠がわかって嬉しい反面、これから私の体どうなるの?出産のときは?と不安や疑問もわいてきます。そんな妊婦さんの不安な気持ちに応えるのが母親学級、両親学級です。参加してみたいけどいったい何をするの? 絶対に参加しなくてはい…

【助産師監修】母親学級・両親学級特集【プレパパ レッスン(全4回)】

妊娠中の妻へのサポート、プレパパはどうすればいい?妊娠中の妻へのサポート、プレパパはどうすればいい?【プレパパ レッスン1】 第1回目は男性も知っておきたい、妊婦さんの体の変化についてです。妊娠するとすぐ、女性の体は赤ちゃんを育み育てるための準備がスタートします。つわりやホルモンの変化などで心も体も不安定に。そんな時こ…
出産時の妻へのサポート、プレパパはどうすればいい?出産時の妻へのサポート、プレパパはどうすればいい?【プレパパ レッスン2】 第2回目はパパが知っておきたい、出産時に妻をどうサポートするかです。もし、立ち合いができなくても妻を応援する方法などを交え、パパのやること、できることはたくさん。その心得を解説していきます。 目…
パパと産後の赤ちゃんの関わり方は?パパと産後の赤ちゃんの関わり方は?【プレパパ レッスン3】 第3回目は、産後の赤ちゃんとパパのかかわり方、お世話についてです。機嫌のいいときだけ抱っこ、おむつ替えはおしっこのときのみ、ぐずりだしたら妻にバトンタッチ…。これではチーム育児とも言えませんね。…
パパも知っておきたいマタニティブルーズ、産後うつのことパパも知っておきたいマタニティブルーズ、産後うつのこと【プレパパ レッスン4】 最終回、第4回目のレッスンは産後の妻の心の変化についてです。産後の女性はホルモンの影響で感情が不安定になることもあります。ここではマタニティブルーズ、産後うつと言われる症状について説明していきま…

【助産師監修】母親学級・両親学級特集【プレママ レッスン(全5回)】

お産はどう進む?その時ママの体はどこがどうなる?お産はどう進む?その時ママの体はどこがどうなる?【プレママ レッスン1】 第1回目のレッスンはお産の進み方についてです。おしるしなどの予兆から陣痛が始まり、入院、分娩までどう進むのか。また入院した後に助産師が行う子宮口の開きチェックなどは何をどう見ているのか助産師の視…
赤ちゃんが出てくるしくみ、詳しく教えて赤ちゃんが出てくるしくみ、詳しく教えて【プレママ レッスン2】 レッスン第2回目は赤ちゃんがどうやって出てくるのかを説明していきます。 あの狭い産道を赤ちゃんはどのようにして出てくるのでしょう。助産師の目線から見た図解を交えて説明していきます。 目次 赤ちゃ…
お産は赤ちゃんとの協働作業というけれど、どういうこと?お産は赤ちゃんとの協働作業というけれど、どういうこと?【プレママ レッスン3】 第3回目はお産の時赤ちゃんもがんばっているとはどういうことなのかを説明していきます。出産のとき、ママは大きな痛みに耐えますが、この時によくかけられる「赤ちゃんもがんばってるからママも一緒に!」と…
産後すぐ(産じょく期)のママの体とは?どう過ごすのが正解?産後すぐ(産じょく期)のママの体とは?どう過ごすのが正解?【プレママ レッスン4】 第4回目は産後の体と過ごし方について。出産を終えたママは体に大きなダメージを負っています。妊娠前のように元通りになるためにも産後1カ月の過ごし方はとても重要ですから妊娠中から予習をしておくことが…
今さら聞けない?お産の噂に一問一答でこたえます今さら聞けない?お産の噂に一問一答でこたえます【プレママ レッスン5】 最終回、第5回目は、お産にまつわる噂について。特に初めてのお産のときはどうしても気になってしまう様々な体験談や噂話…。しかし中には本当かどうかわからないことも。みんなの素朴な疑問に助産師がお答え…

みんなの体験記の関連記事

出産・産後すぐの体験談
  1. 出産・産後すぐの体験談をもっと見る >
プレパパの体験談
  1. プレパパの体験談をもっと見る >