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【医師監修】働く妊婦さん、仕事中のつらいつわり、どう乗り切る? 産婦人科医がアドバイス!

吐き気、眠気、だるさなど、とにかくつらい「つわり」。おなかが目立たない時期だから職場のみんなにもわかってもらえないし、何より通勤電車で立っているのがつらい‥‥。働く妊婦さんがこの時期をどう乗り切ったらよいのか、産婦人科医の竹内正人先生に伺いました。

産婦人科医

竹内正人先生

日本医科大学卒業、米国ロマリンダ大学、日本医科大学大学院を経て、葛飾赤十字病院に勤務。東峯婦人クリニック副院長を経て現在はフリーに。著書に『はじめてママの「からだとこころの悩み」お助けBOOK』など。

朝、仕事中に、空腹になるのを避ける

枕元に朝一で食べられるものを用意

つわり中は空腹感が悪心(吐き気)や嘔吐を誘発することがあります。とくに朝起きてすぐに気持ちが悪い場合は、空腹が影響している可能性が高いです。つわりのことを英語で「morning sickness」と言いますが、朝に気分が悪くなるのは万国共通のようです。対策としては枕元に朝一で食べられるものを用意すること。起きたらすぐ口に入れて、少し落ち着いてから起き上がるとよいでしょう。

業務中も一口で食べられるものを用意

空腹を避けるためには、少量の食事を1日に5〜6回にわけて食べるのが有効です。しかし、働く妊婦さんは業務中にそんなにしょっちゅう食事はできませんね。そこで、業務中に周りに気づかれないように一口で食べられるミニおにぎりや小さなパンなどを用意して。通勤電車の中でもパクッと口に入れると楽になることがあります。口の中で長持ちする飴や、口の中がさっぱりする酸味のあるグミなどもおすすめです。

通勤中の、においつわり対策をする

マスクに好きな香りをつけておく

つわりの間は、以前は気にならなかったにおいが全くダメになることもあります。ご飯が炊けるにおいやコンビニのおでんのにおいなど、苦手になるにおいは人それぞれですが、働く妊婦さんが大変なのは、通勤電車やエレベーターなどの密閉された空間の中でのにおい。近くにいる人のにおいがつらく感じることもあります。そんなときは、マスクにアロマの香りをつけてみましょう。実際にかいでみて、自分がすっきり感じる香りを選ぶとよいですね。

時差通勤や在宅ワークをする

満員電車は身動きが取れなくて大変なので、職場に時差通勤させてもらえるよう相談してみましょう。業務内容によっては、在宅ワークができるとより助かりますね。どうしても通勤時間が変えられない場合は、比較的空いている各駅停車を利用できるとベター。また、気分が悪くなったときに途中下車しても大丈夫なように、早めに出かけるとよいでしょう。

つわりピークで、つらいときは病院へ。医師からの書類も活用

吐き気止めの点滴を受けることができる

つわりは病気じゃないと言われることもあり、「病院に行くほどではない」と我慢してしまいがちです。しかし、つわりの感じ方は人それぞれです。「つらい」、「しんどい」と思ったら、次の妊婦健診を待たずに、遠慮せず産院を受診してください。つわりを治す薬はありませんが、水分や糖分、ビタミンを補給する点滴に、吐き気止めを入れてもらうこともできます。特に水も飲めないほどで、吐いてばかりいる場合は、脱水になる心配があるので治療が必要。あまりにひどい場合は入院して治療することもあります。

母性健康管理指導事項連絡カードを活用

仕事に行くのがつらいときには、かかりつけ医に相談し、母子手帳にもある「母性健康管理指導事項連絡カード」に、職場への指導内容を記入してもらいましょう。事業者は、医師からの指導内容に応じた対応が求められます。時差通勤や在宅ワーク、休業措置など、重症度に関係なく指示をもらえます。以前は診断書提出を求める職場もありましたが、現在はこの連絡カードで大丈夫な職場がほとんど。診断書より費用も安くてすみます。

職場や夫、周囲のサポートを受ける

直属の上司や身近な同僚には早めに報告

もし、赤ちゃんに何かあったらという心配から、安定期に入るまで職場への報告を控える人がいますが、つわりでつらい妊娠初期のこの時期こそ、周囲のサポートが必要です。少なくとも直属の上司や身近な同僚には早めに妊娠したことを報告しましょう。そして今の体調について理解してもらい、時差出勤や仕事中の間食を許可してもらうなど相談してみてください。もし万一のことが起きたら、それはそれで周囲に理解してもらえばよいこと。気の遣いすぎはよくありません。

夫に相談して、家事を代わってもらう

勤務中は緊張感があり、何とかなっていても、帰宅した途端に気が抜けて、どっと疲れが出て動けなくなることもあります。つわりでつらいことを夫に打ち明け、家事を代わってもらいましょう。つわりの間は栄養など気にせず、「食べられるときに、食べられるものを、食べられるだけ食べる」のでOKです。お惣菜を買ってきてもらったり、宅配のミールキットを活用したり、できるだけ手間を減らしてゆっくり休んでください。

この記事のまとめ

つわりは「休め」のサインなので無理しない

つわりが起こる理由はいまだに明らかになっておらず、解決法も明確なものはありません。きっとママのからだが赤ちゃんを育むからだに変わるために、からだをデトックスして、ピュアな状態に戻そうとしている時期なのだろうと思います。妊娠12〜14週頃には落ち着いてきますので、休めるときには休んで無理をしないでください。

構成・文/
江頭恵子
イラスト/
いしいゆき