【医師監修】妊娠28週(妊娠8ヶ月:妊娠後期)
妊娠28週の赤ちゃんの様子
からだだけでなく脳も育つ時期。聴覚に続いて視覚や嗅覚の発達も
28週のエコー写真。手と足が顔の前にあって、まるで柔軟体操をしているようです画像提供:丸茂レディースクリニック
赤ちゃんの頭の大きさ(児頭大横径/BPD)は約7cm、太ももの骨の長さ(大腿骨長)は約5cmになりました。脳の表面は今までのっぺりしていましたが、溝やひだが現れ始めます。 こうして表面積を増やすことで、人間は、他の動物に比べて複雑で高度なことを考えたり行ったりすることができます。
視覚、嗅覚、聴覚などの感覚や、言語や歩行などの運動をつかさどる脳の部位はすでにできています。これからは理性や記憶や創造力をつかさどる部分が発生していきます。
聴覚がますます発達していて、その証拠に、大きな音が聴こえたりすると心拍数が増える ことがよく知られています。
監修医師
丸茂 元三先生
産婦人科医
丸茂レディースクリニック 院長
産婦人科専門医、超音波専門医。東京大学医学部附属病院産婦人科 助手等を経て、板橋中央総合病院産婦人科 医長ののち、2013年9月 丸茂レディースクリニック開設。
妊婦28週のママの体の変化とアドバイス
超音波検査で逆子が判明。
どうしたらいいの?
初期・中期の頃は子宮の中で動き回っていた赤ちゃんも、妊娠後期になると重くなった頭を下に向けた姿勢で定着していきます。しかし、何らかの理由で子宮口に足やおしりを向けたままの姿勢でいる状態のことを逆子(骨盤位)といいます。
逆子のままで経腟分娩(腟からの出産)をすると、大きい頭が出にくいため、難産となってしまう可能性があります。でも、そんなに心配しすぎないで。今はまだ逆子でも、28~31週なら約80%が、32~35週でも約65%が自然に下を向くというデータがあり、最終的に逆子のまま出産する妊婦さんは全体の3~5%となります。病院の方針にもよりますが、36週になっても逆子が直らない場合は、妊婦さんと相談した上で予定帝王切開へ切り替える病院が多いようです。
妊婦さんにとって逆子が直らないのはとても心配ですが、ストレスになるとよくないので、あまり気にせず赤ちゃんに話しかけながらリラックスして過ごすようにしましょう。
監修医師
林 聡先生
産婦人科医
東京マザーズクリニック 院長
産婦人科専門医、臨床遺伝専門医、超音波専門医、周産期(母体・胎児)専門医。国立成育医療センター周産期診療部胎児診療科 医長ののち、2012年1月より 東京マザーズクリニック院長に就任。