妊娠・出産・育児の情報サイト


【医師監修】おなかの赤ちゃんの心拍確認はいつできる? 確認できたらひと安心?

心拍とは、おなかの赤ちゃんの心臓の拍動。心拍が確認できるということは、胎児(胎芽)の存在を確認できたといえますが、それができるのはいつ頃でしょう? 心拍を確認できたら、もう安心といえるのでしょうか? 産婦人科医の竹内正人先生に伺いました。

産婦人科医

竹内正人先生

日本医科大学卒業、米国ロマリンダ大学、日本医科大学大学院を経て、葛飾赤十字病院に勤務。東峯婦人クリニック副院長を経て現在はフリーに。著書に『はじめてママの「からだとこころの悩み」お助けBOOK』など。

心拍確認とはどういうこと?

心拍確認ができるのは妊娠6週以降

前回の月経後の排卵日にママの卵子とパパの精子が出会い受精。そこから1週間ほどかけて受精卵が子宮内に着床すると「妊娠した」といえます。赤ちゃんはどんどん細胞分裂を繰り返し成長しますが、この時点でその姿はまだ見えません。赤ちゃんを包む「胎嚢」は妊娠5週くらいで見えますが、この時期の赤ちゃんの呼び名「胎芽」が確認できるのは妊娠6週頃。5週の頃は2mmほどの大きさだった赤ちゃんは、6週に入ると4〜7mmくらいになり、エコーで心拍による揺らぎを確認できます。すると、胎芽が確かに成長していると判断されます。

心拍が確認できない場合とは?

卵子と精子が受精して受精卵になっても、うまく分裂できなかったり、染色体に問題があったりして、そこから成長ができないケースもあります。つまり、妊娠判定薬が陽性を示し、妊娠5週目で「胎嚢」が確認できても、妊娠初期の段階で発育が止まり、心拍が確認できない可能性もあるということです。そのほとんどは受精卵の問題であり、ママが無理をしたとか、風邪をひいたなどは関係ありません。「胎嚢確認」ができても「心拍確認」まで再度受診が必要なのは、そのためです。

心拍が確認できたら、もう安心?

心拍が確認できると8割以上が妊娠を継続できる

流産とは妊娠22週までに起こることをいい(その後だと早産という)、うち妊娠12週未満に起こる流産を「早期流産」といいます。実は早期流産のなかでもごく初期の、胎嚢は見えたけど心拍は見えないという時期のものが、8〜9割をしめるといわれます。月経が遅れてやってきたという人の中には、妊娠に気づかないまま自然流産している可能性もあるわけです。その不安定な時期を乗り越え、心拍が確認できると、8割以上が無事に妊娠を継続できるといわれます。

心拍確認後の流産の可能性は?

心拍が確認できれば、かなり安心ではありますが、流産の可能性がなくなるわけではありません。ただ、胎嚢しか確認できなかった頃よりは、流産の可能性は低くなります。また、早期流産といわれる妊娠12週をこえると、その可能性はさらに低くなります。この時期を過ぎると「安定期」といわれる時期に入りますが、安定期=絶対大丈夫というわけではないので、無理はしないでください。

心拍確認後、次回健診まではどう過ごす?

母子手帳をもらい、産む産院を決める

母子手帳をもらうタイミングについては、特に決まりはありませんが、妊娠8〜10週くらいに最終月経日と赤ちゃんの大きさなどから出産予定日を算出した後に、もらってくるように言われることが多いでしょう。妊娠検査をした産院でそのまま産む予定の人はよいですが、最近は分娩をしない婦人科も増えているので、どこで産むのかの産院探しも始めましょう。里帰り出産予定の場合は地元の情報を集めて。今かかっている産院には、どのタイミングでどう引き継げばよいのかなどを確認しましょう。

出血や腹痛などがあったら念のために受診

健診のタイミングや頻度は産院によっても違うでしょうが、妊娠初期は1カ月ごとのところが多いでしょう。つわりも辛くなり、胎動もまだ感じられない時期なので、「赤ちゃんは大丈夫?」と心配するかもしれませんが、あまり心配しすぎず、できるだけリラックスして過ごしてください。もちろん、腹痛や出血があるなど心配なことがあったら、次の健診日を待たずに、受診しておきましょう。つわりが辛くて水も飲めないような場合も、脱水の恐れがあるので受診しましょう。

この記事のまとめ

情報に振り回されないことも大切

妊娠前からなんでも調べる習慣がついている人は、「妊娠」という新たな体験に向き合うために、まず「検索」するでしょうが、あれこれ見すぎて不安にならないようにしてください。ある一定数は助からない命があるのは確か。早くわかっても対策が取れないことがほとんどです。最低限の知識は必要ですが、情報過多で不安にならないよう、ゆったり構えることも大切です。

構成・文/
江頭恵子
イラスト/
ヒビユウ