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【助産師監修】【母親学級・両親学級特集】お産はどう進む?その時ママの体はどこがどうなる?

~全5回の連載特集でお届けします~

【プレママ レッスン1】
第1回目のレッスンはお産の進み方についてです。おしるしなどの予兆から陣痛が始まり、入院、分娩までどう進むのか。また入院した後に助産師が行う子宮口の開きチェックなどは何をどう見ているのか助産師の視点から説明していきます

監修医師

浅井貴子先生

フリー助産師

赤ちゃん訪問指導歴約30年のキャリアを持つフリー助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、育児のアドバイスや母乳育児指導を実施。赤ちゃんのボディケアを始め、ベビーマッサージやマタニティエクササイズのインストラクターを始め、助産師としての知識を活かした産後の会陰ケア、おっぱいケア、ママのためのスキンケア、産後のメンタルケアなど、妊婦さんや産後ママ向けのセミナー講師を多数務める。

お産の始まりの見極め、前駆陣痛と本陣痛の違いはどう見るの?

お産の始まりとは?

臨月になるとおりものに少量の血が混じった「おしるし」が見られることがあります。また、前駆陣痛はキューっとした子宮の痛みやおなかの張りなどを指しますが、おしるしも前駆陣痛も正確にはお産の始まりではありません。

一般的にお産の始まりは大きく2つに分かれます。
・陣痛
・破水

■陣痛(前駆陣痛)
おなかの張りや不規則な痛みのことを指します。そろそろお産が始まるよ、という赤ちゃんからのメッセージともとれる前駆陣痛は、この後に迎える本陣痛よりも比較的痛みが軽く、妊婦さんの感覚では「あれ?何か痛い?」と感じるレベル。少し重めの生理痛のような痛みでまだまだ耐えられる程度です。人によっては軽い痛みが数日続く場合もありますが、正確にはまだお産の始まりではありません。

■やがて「お産の始まりとなる本陣痛」がおとずれます。
これは、1時間に6回以上不規則な痛みを伴うおなかの張りを指します。 陣痛アプリなどで計った場合
・10分間隔で
・痛みとおなかの張りが来る
これらがおとずれたときがお産の始まりです。ママはこのタイミングで分娩・出産へスタートを切ることとなります。
※激しい痛みや張り、出血がある場合はこの限りではありません。

<このときやるべきこと>
かかりつけの病院、産院に陣痛が始まったことを連絡。10分間隔で痛みと張りが来ることを告げて病院へ向かう判断を仰ぎます。

■破水からお産が始まる場合も
破水した時の感覚は「ちょろちょろ」「ドバーッ」など、個人差も大きいものです。感染症を引き起こす可能性が高いため、量の多少に関わらず「破水かな?」と思ったらまずはナプキンをあてて応急処置を。すぐに病院へ連絡して状況を説明し、医師の指示を仰ぎましょう。

※10分間隔での規則的な陣痛、または破水が見られた場合はすぐにかかりつけの病院、産院へ連絡し、指示を受けましょう。

入院したあと誕生までどうして時間がかかるの?

助産師が語る「分娩第一期から第三期」のこと

病院へ向かった妊婦さんは入院し陣痛室で数時間を過ごします。その時、助産師はどのように経過を見ているのでしょうか? ここでは専門家の眼からご説明していきます。

■分娩第一期
「子宮口は今何㎝? 10㎝まで開いてる?」

赤ちゃんの頭はおよそ直径10㎝のグレープフルーツ大です。実はこの「赤ちゃんの頭」が出産時の最大の難所。助産師は赤ちゃんが出て来ることができる「頭が通る出口(子宮口)が約10㎝」になるまで経過観察します。

入院後、妊婦さんには激しい陣痛がある中で「ちょっと子宮口を診ますね」と言われることがありますが、助産師が確認しているのはこの子宮口の開き具合です。ママは陣痛の痛みから解放されたい気持ちと、いきみたい気持ちでいっぱいですが、助産師として安全に赤ちゃんが産まれるタイミングとママの安全な出産、ともに最もベストなタイミングをはかっているのです。

分娩第二期
子宮口が10㎝開大になったら、第二期に差し掛かります。
破水が起こる確率が高いのはこの段階。水の入ったゴム風船がはじけるようにパンッと破れますがこの時点での破水は大きな痛みはありません。また、破水後は陣痛が進むことが多く、ママの陣痛もこの時点がピークです。一方、赤ちゃんは頭をぐっと骨盤に合わせて入れ込み、細い産道をなんとかこじ開けて出てこようとしています。ママの陣痛の力を借りて外の世界に出てきたいと必死にがんばっている最中です。
医師の判断で会陰切開を行うのは分娩第二期の終り頃です。
「パチン!」と切られた音がした、また、医師に切られるまでもなく「自然に裂けた」という話もよく聞きますが、実はこれらは分娩第二期のタイミングで起こることがほとんど。ちなみに、会陰切開の時は麻酔をするので、切開の痛みはほぼ感じることはありません。また会陰切開を防ぐには妊娠中から会陰マッサージをするのがおすすめです。

分娩第二期はママも一番大変なときですが、赤ちゃんもママと同じく細い産道をこじ開けて通るという大仕事をしています。陣痛の痛みを全身に受けながらそれでも耐えて外の世界を目指しているのです。

■分娩第三期
「赤ちゃんの「外に出たい」という気持ちとママの陣痛収縮のパワーで、産道を上手にこじ開け、頭、肩、胴から足と赤ちゃんがつるんと出てきました。この感動の瞬間が第三期です。 赤ちゃんが出たあとママの子宮から胎盤がにゅるんと出て来る感覚があります。少し違和感があるかもしれませんが、それも10カ月もの長い期間、赤ちゃんを育ててきたママの誇れる証です。

この記事のまとめ

助産師が確認している内容を知り、お産当日の心構えを

病院に入院した後は数時間を陣痛室で過ごし、その間、助産師が子宮口の開き具合や赤ちゃんの様子を数回にわたり確認します。この時、子宮口が開くとはどういうことなのか、助産師が今何をチェックしているのか知っておけば、ママ自身もお産の進み具合が把握できるものです。流れをしっかり勉強して出産当日に備えましょう。

次回のレッスン2「赤ちゃんが出てくるしくみ、詳しく教えて」に続きます。

構成・文/
中島典子
イラスト/
タオカミカ

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